豆知識

PDO商品 マスティハ【EUのGI保護制度・PDO】とは?

マスティハが認定を受けている、PDO(原産地名称保護制度)という言葉は聞いたことがありますか?

「マスティハはギリシャ、ヒオス島の南部で生息するマスティハの木から採取されるもののみを指す。」と以前の記事にて紹介しました。

【記事リンク】マスティハとは?生産地や、ユニークなその香り、食感など詳しくご紹介!

では何故そのように決まっているのでしょうか。

の理由がPDO(原産地名称保護)です。
食に気を使う方であれば、知っておいて損はありません。

今回は、PDO(原産地名称保護)とは何なのかについて紹介していきたいと思います。

マスティハが認定を受けているPDOとは?

©︎https://www.wine-searcher.com/wine-label-eu.lml



PDO(原産地名称保護)、見慣れない方も、後ろに付く日本語訳を見ると何と無く想像がついたかもしれません。
PDO(原産地名称保護)とは、欧州連合のEU法により制定された

「GI(Geographical Indication:地理的表示)保護制度」の中の一つであり、食品の原産地名称認定、または保護の為の制度です。

EUは高品質な欧州製品を保護・継承する為の品質認証制度としてこの制度を設立しました。

PDO製品として認められる為の要件とは?

©︎すしぱく


PDO製品として認められる為には、下記の要件を満たしていなくてはなりません。

(a) 特定の場所、地域、まれに国を原産地としていること
 →ヒオス島南部のみ

(b) 製品の品質や特性が、本質的または排他的に、自然的・人的要因を備えた固有の自然・地理的環境によるところが大きいこと
 →ヒオス島南部でしか採取することができない

(c) 生産工程のすべてが一定の地理的領域で行われていること
 →採取されたマスティハはヒオス島内にて島民により、出荷できる状態まで洗浄など全ての工程を完結させている

– 上記(a)(b)(c)はジェトロより引用
【リンク】ジェトロ公式サイト

このように、マスティハは全ての条件を満たしている為、1997年よりPDO製品としてEUから正式に認められました。
No.123/1997 Regulation ( L0224/24-1-97 )

その他のGI保護制度(PGI・TSG)とは


EUのGI保護制度はPDOのみではなく、3種類あります。

▼PDO(Protected Designation of Origin – 原産地呼称保護)

上記の通り、製品の生産から加工、調整、仕上げまでを特定の地域で行った場合にのみ認められます。

▼PGI(Protected Geographical Indication – 地理的表示保護)

製品の品質、評判や特性が、本質的に原産地に起因していて、生産工程の一部が一定の地理的領域で行われている場合に認められます。

つまり、地域外の材料が使われる事も可としています。

▼TSG(Traditional Speciality Guaranteed – 伝統的特産品保証)

特定の地域との関連がなくても、伝統的に生産、加工されたものであり、 伝統的に使用されてきた原料または成分から生産された産品・食品である場合に認められます。

また、名称が伝統的にその製品を指すのに使用されている、または伝統的特性ないし製品の特定の特徴を識別できる名称であることも条件となっています。

つまり、マスティハが認定されているPDOとは、制度内で最も厳しい制度という事です。

PDOまとめ


・PDO(原産地名称保護)とは、EU(欧州連合)によるEU法によって定められている制度

・高品質な欧州製品を保護・継承する為の品質認証制度

・PDO(原産地名称保護)はGI(Geographical Indication:地理的表示)保護制度の中の一つ

・GI保護制度には3種類の制度があり、PDOは中でも一番厳しい要件を持っている

・マスティハは1997年にPDO製品として正式に認定された – No.123/1997 Regulation (L0224/24-1-97)

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